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荷に連結するシャックルやフックも、ワイヤロープ同様に張力増加を考慮して選定してください。

仮に20tonの荷を2本吊り(ワイヤロープの開き角度:60°)で玉掛け作業をするとしましょう。

20ton/2で使用荷重10tonのシャックルを選定するあなたは選定に誤りがあります。

ワイヤロープの開き角度が60°の場合、張力増加係数は「1.16」で、20ton×1.16/2=11.6ton以上の使用荷重のシャックルを選定する必要があります。

シャックルやフックに張力増加を考慮せず、玉掛け作業をおこなうと、変形や破断する危険があります。
必ず、玉掛け用具は張力増加を考慮して選定してください。


フック同士を連結させての玉掛け作業は危険です。

もし荷が回転した場合、フックとフックに捻れる力が掛かります。
この状態は、フック同士の緩衝部で横荷重が掛かることになります。

フックは荷重がまっすぐ掛かった場合での強度計算から、使用荷重が
設定されています。

フックは引っ張り荷重には強いけど、捻り方向(横荷重)に対しては
弱いものだと覚えておいてください。

ということで、フックに横荷重が掛かる危険性のある
フック同士を連結しての玉掛け作業は行なわないようにしてください。


玉掛け作業でラウンドスリングをクレーンフックに掛け外しするとき、フックの外れ止め金具にスリングが引っ掛かった経験はないですか?

ある玉掛け作業者は、この外れ止め金具にスリングが引っ掛かる状況を避けるために、番線で外れ止め金具をフック本体に縛り付けました。

このようなクレーンフックの外れ止め金具をフックに固定する方法はとても危険なので止めてください。

クレーンフックの外れ止め金具には、玉掛け用具の脱落を防止するという重大な役割があります。外れ止め金具をフック本体に縛り付けたら外れ止め金具は役割を果たせなくなってしまうのです。

クレーンフックから玉掛け用具が脱落した場合、吊り荷が落下し重大な事故になります。このことから、外れ止め金具の使用は法令でも定められています。

クレーン等安全規則 第20条の2に、「事業者は、玉掛け用ワイヤロープ等がフツクから外れることを防止するための装置(以下「外れ止め装置」という。)を具備するクレーンを用いて荷をつり上げるときは、当該外れ止め装置を使用しなければならない」と記されており、外れ止め装置を使用できなくすることは法令に抵触します。

クレーンフックから玉掛け用具が脱落させないよう、クレーンフックは外れ止め金具が付いているもので玉掛け作業をしてください。


労働安全衛生法のクレーン等安全規則ではクレーン等のフックには「外れ止め装置の使用」が定められていますが、玉掛け用具に使用しているフックについては「外れ止め」の規則はありません。
しかし、安全作業をすすめるうえでは、「外れ止め」が必要であると覚えてください。

【参照】JIS B2803:2007フックより
使用の禁止として「外れ止めがない状態での使用」が記されており、外れ止めの使用を推奨しています。


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