ワイヤロープの吊り角度と張力
吊り角度の影響
多点吊りでの玉掛け作業は吊り角度が発生します。吊り角度が大きくなると、ワイヤロープに掛かる張力が大きくなるため、ワイヤロープの安全使用荷重をオーバーする可能性があります。吊り角度が発生する場合は、ワイヤロープ径の選定に注意してください。
吊り角度の測る位置
2点吊りワイヤロープとワイヤロープのとの角度
3点吊りワイヤロープと垂直線との角度×2倍
4点吊り対角線上にあるワイヤロープとワイヤロープとの角度
張力増加係数
張力増加係数とは、吊り角度によりワイヤロープに掛かる張力を計算するための割り増し係数のことです。この係数を用いて、ワイヤロープ1本あたりに掛かる荷重を求めることができます。
計算例
3tの吊り荷をワイヤロープ2本(2点吊り)、吊り角度30°で吊りたい場合、ワイヤロープ1本あたりに必要な使用荷重は?
3t(吊り荷の重さ)×1.04(30°の張力増加係数) ÷2(ワイヤロープの本数)=1.56t
[答え]1本あたり1.56t以上の安全使用荷重があるワイヤロープを選定する
4本4点吊りは3本3点吊りで計算する
4本4点吊りの場合は均等に荷重がかかり難いため、3本3点吊りを想定して計算してください。ただし、4本が均等に負荷するような場合には4本4点吊りで計算しても差し支えありません。
便利アイテムのご紹介
ワイヤロープ安全荷重表
2点ー4点吊りに必要な使用荷重がすぐに確認できます。(6x24 O/O ・6x37 O/O)
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多点吊り計算アプリ
スマートフォンのアプリに数字を入力すると、自動的に計算して使用荷重を表示します。
⇒大洋製器工業のWEBサイトへ(外部サイト)
張力増加係数に90°・120°の吊り角度が書いてあるけど、実際に吊り角度が60°を超えてくると吊り荷が不安全な状態になるので、玉掛け作業の吊り角度は原則60°までにしましょう♪